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診療チーム

乳腺内分泌チーム
【担当医】
九冨 島 里見  
九冨 プロフィール プロフィール 里見 プロフィール  

診療実績
1) 主な対象疾患・診療内容

当チームでは、主に乳がんを中心とした乳腺疾患、甲状腺がんを中心とした甲状腺疾患を扱っています。
ピンクリボン  乳がんは日本女性において最も頻度の多いがんでありその罹患率は年々増える傾向にあります。女性の乳がんは比較的若い年代の女性においてがん死亡原因のトップとなっています。乳がんによる死亡を減らすためには検診などによる早期発見だけではなく、 乳がんを早期に適切な治療をおこなうことが大切です。


 乳がんの治療には、外科手術、放射線治療、化学療法、内分泌療法、分子標的治療などがあります。病理部、放射線科、形成外科と協力して集学的治療を行っています。また、乳がんの5~10%は遺伝的な素因が関係すると考えられており、そのひとつに遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)が知られています。臨床遺伝外来や婦人科とも定期的にカンファレンスを行っております。
 甲状腺がんは、放射線被曝がリスクになると言われています。化学療法が効きにくい癌腫として知られており、標準治療は手術、放射線治療が中心となります。


2) 診療実績

 乳がん手術数の推移です。大学病院は集学的支援体制が充実しており、妊娠期の患者さんや併存症をお持ちの患者さん、高齢の患者さんの受け入れもしております。ひとりひとりの状況にあわせて、総合病院の特徴を活かし各科連携して、安全かつ確実に治療を行っております。乳がんはとくに薬物療法もさることながら、手術も非常に重要になります。手術の方法は乳房切除、乳房部分切除のほかに、形成外科の支援下に乳房再建についても、ご希望にあわせて事前検査結果から適切な治療計画をたてていきます。一方、甲状腺がんの治療は原則的に手術になります。化学療法が効きにくいことが背景にあります。手術に関して最適な治療を行くことは大前提となりますが、手術後は充実したサポートとともに治療を続けていきます。
診療実績


3) 疾患毎の予後

 2009年1月〜2012年1月の当科の手術症例における、病期分類別の無再発生存曲線です。病期が進行するにつれ、再発率が高くなります。病期0-1では5年生存率が99%を上回ります。適切な早期治療により良好な成績を得ています。
疾患毎の予後


4) その他の診療内容

 乳腺疾患に関してはマンモグラフィ、超音波検査を行っております。乳がんの可能性がある病変に対して細胞診、針生検、MRI、CT、マンモトームなどの精査を実施しています。

マンモグラフィ

マンモグラフィ検査:乳房をはさみ圧迫して撮影する乳房専用のレントゲン検査です。一般の検診でも導入されており、触知しないような早期の乳がんが発見されるようになりました。放射線を用いますが、被曝線量はごくわずかです。


超音波検査:乳房に超音波プローブをあてることで乳房内の病変を調べます。また、わきや鎖骨周囲のリンパ節の状態も確認することができます。最近では、病変の硬さの測定(エラストグラフィ)や血流の測定(フローイメージング)、また造影超音波により詳細な血流評価も可能となりました。


細胞診検査:超音波検査で見える病変に細い注射針を刺し、細胞を吸引します。顕微鏡で採取した細胞を調べて、乳房の病変が良性か悪性かの診断を行います。


針生検:局所麻酔を行い、超音波で見える病変にやや太い針を刺して組織を採取します。採取した組織を顕微鏡で調べて病理組織診断を実施します。細胞だけでなく組織の形態も見ることができるので細胞診よりも情報が多く、より確実な診断が可能になります。また、乳がんの場合はホルモン感受性やHER2の発現などの重要な因子も調べる事ができます。


ステレオガイド下マンモトーム:マンモグラフィで石灰化病変を示すが、超音波検査でしこりが検出困難な病変に行います。マンモグラフィを撮影しながら穿刺をします。針生検よりも多くの組織量が採取されるためより確実な診断が可能となります。外科的生検と異なり5mm程度の傷で実施可能で,検査後の傷はほとんど目立たなくなります。針を使って病変の組織を採取して病理検査で調べます。石灰化の分布や形態により、乳がんの可能性が高くなることもあるので、マンモトームが必要となることが少なくありません。


ステレオガイド下マンモトーム

CT検査:乳がんと診断されたときに原則として造影剤を用いて行います。腋窩などの所属リンパ節に転移の有無、あるいは、肝、肺などの遠隔転移の有無を確認します。また、反対側の乳房についても病変がないか確認していくことが可能です。


MRI検査:乳がんの乳房内の広がりの把握に有用で、切除範囲を決定するうえで非常に重要な検査になります。また、良悪性の鑑別が困難な場合にも診断に有用であることから実施することがあります。CT検査とは異なる造影剤を用います。 センチネルリンパ節生検の流れ


RI法・色素法併用によるセンチネルリンパ節生検:乳房内のがん細胞がリンパ管を通じて最初に流れ着くリンパ節のことをセンチネルリンパ節と言います。乳がんの手術のときに、センチネルリンパ節を調べて、がんの転移がなければそれ以上の腋窩のリンパ節郭清を省略します。現在、センチネルリンパ節生検は標準的な方法となっており、当院でも色素・アイソトープの併用法でセンチネルリンパ節生検を行っています。