TOP医療従事者の皆さまへ>研究紹介
医療従事者の皆さまへ
患者・ご家族の皆さまへ
医療従事者の皆さまへ
学生・研修医の皆さまへ

シンボルマーク

研究・業績(論文一覧) 研究紹介

 当科では2003年4月から本学第一病理学教室と共同研究にて癌ペプチドワクチン療法臨床試験を開始しています。対象疾患はHLA-A24陽性、かつ、癌組織中にサバイビンを発現している進行・再発の食道癌、胃癌、大腸癌、肝臓癌、胆嚢・胆道癌、膵臓癌、および乳癌です。本臨床試験で使用しています癌ワクチンは"サバイビン2Bペプチド"といい、本学第一病理学教室で開発されたオリジナルのワクチンで、この開発を始めその後の基礎研究にも当科の大学院生・研究員生が多数関っております。当科で行っています癌ペプチドワクチン療法の特徴は綿密に第一病理学教室とデータ解析を行っており、ワクチン投与によるワクチン特異的リンパ球動態を分析しながら臨床試験を進行しております。
 その他の免疫系研究としては、癌組織中のMHCクラスI発現の程度と免疫逃避機構との関与についての研究も進めています。

◆侵襲と生体防御反応、侵襲と栄養

 侵襲に対する生体防御反応が生命予後を規定している可能性があり、その調節を司る免疫担当細胞機能に関する研究を進めることは外科学において意義が大きい。教室では消化器手術症例を対象に、ヘルパーT細胞の特異的分離と細胞内サイトカイン測定法に基づくTh1/Th2バランスの定量的解析、単球表面抗原の発現解析などから侵襲に対する生体反応の個体差の評価を行っている。さらに、個々の症例における術前・術後の病態に応じた免疫応答への積極的・介入的な修飾法の臨床応用も目指している。
 また、食道癌手術や膵頭十二指腸切除術など高度の侵襲を伴う手術症例や、敗血症性ショック・重症急性膵炎など重症患者に対し、生体の免疫機能を賦活化させるimmunonutritionを考慮した経腸栄養(enteral nutrition)を早期から積極的に行っており、その有効性に関する分子レベルの研究も検討中である。

◆肝臓 (移植 再生)

 肝臓の研究では、虚血再灌流障害の軽減を目的とした大動物の研究や肝線維化の治療法の開発を行っております。また、肝再生の研究では肝切除後の再生機序と肝細胞移植による置換再生の研究を行っております。臨床研究では新たな腫瘍マーカーの同定を行い、悪性腫瘍の早期発見や転移予測に役立てたいと思っております。このように臨床に直結した基礎研究の成果は、証拠に基づく新規の臨床治療の開発に役立てております。とくに肝細胞移植は肝移植に代替される低侵襲の次世代治療法として期待され、当教室においても世界に発信できる治療法の開発に力を入れております。肝再生現象は古代ギリシア神話のプロメテウスから知られ、我々も含め多くの研究者をひきつけてまいりました。21世紀中には一つの細胞から一つの臓器が再生できるようになる可能性があります。肝再生治療の最終段階が近づいた現在、早期実用化に向けた研究を展開したいと思っております。

増殖する移植肝細胞1ヶ月目 3ヶ月目 脾臓内の類肝臓組織
増殖する移植肝細胞1ヶ月目3ヶ月目脾臓内の類肝臓組織

◆癌関連研究

癌転移細胞株 癌転移細胞株の樹立
 癌転移機序の解明のため、ヒトの癌細胞をヌードマウスへ移植を繰り返すことにより高転移細胞株を樹立し、親株と高転移株間の形質の違いから、転移関連因子の同定を目指している。さらにDNA chipを用いた遺伝子発現解析を行い、拾い上げた新規転移関連遺伝子に焦点をあて、機能解析を行っている。術後の再発形式を予測する分子マーカーとして、また、分子標的治療への応用として、中和抗体を用いた転移抑制効果の検討を行い、臨床応用を目指している。

消化器癌予後因子の検索
 消化器癌の予後は、病期分類によって規定されている。
我々は、さらに蛋白および遺伝子発現のデータを加えることにより、予後を規定する詳細な情報を提供することを目指している。現在まではVEGFやMMPなどの発現を中心に解析してきたが、今後はさらに包括的かつ迅速な発現解析を目指し、Tissue Array法を導入する予定である。


マイクロアレイによる遺伝子発現解析 新規腫瘍関連遺伝子マーカーの確立
 現存の腫瘍マーカーはスクリーニングやフォローアップなどに使用されているが、腫瘍マーカー上昇時には、既に画像診断で既に病変を捉えることができる状態となっている。我々は、さらに鋭敏な腫瘍マーカーを確立し、消化器癌の再発をサブクリニカルな時期に発見することを目指している。
癌部と非癌部からRNAを抽出し、マイクロアレイ解析により、候補となる遺伝子を同定し、これらの候補遺伝子の臨床的意義について検討を進めていく。