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乳がん、乳腺良性腫瘍、乳頭異常分泌など
乳がんの診療では、検診からはじまり、診断、治療、その後のフォローまで、ひとりの患者さまを多段階にわたり接していくことが特徴です。化学療法、分子標的治療、放射線療法など各治療法の向上により乳がんの予後は飛躍的に改善しています。また、ER、PgR、HER2など病理診断によるがんのバイオロジーの推定が近年では治療方針決定に重要とされ、バイオロジーに対応した治療法選択が求められるようになりました。手術は患者さまにとって非常に大きなイベントであり、その治療計画も重要になります。乳房内の病巣の広がりから術式が決定されていきますが、インプラントが保険収載されましたので、一期再建、二期再建も可能となりました。術式それぞれのメリット・デメリットについて患者さまとしっかりと話し合い決定していきます。形成外科との連携で実現可能であり、再建手術を実施した患者さまも少しずつ増えてきています。また、腋窩リンパ節への転移が知られる乳がんですが、センチネルリンパ節生検もRI法、色素法を併用して行っています。
一方で、家族性家族歴や遺伝性背景から臨床遺伝医学との連携も密に行っています。また、キャンサーサーバイバーに対する支援が重要であるとの考えもでてきました。妊娠期乳がんや若年発症の乳がんでは挙児希望への支援も大切で、仕事をされている患者さま、育児や家族の悩みを持つ患者さまなどにも各サポートが重要となっています.今や総合的な社会支援も含めたケアが必要な時代となりました。
乳腺の良性疾患は炎症性の病態や良性腫瘍などがありますが、これらも手術適応となることがあります。
甲状腺がん、甲状腺良性腫瘍、副甲状腺機能亢進症など
甲状腺がんは予後良好な癌腫として知られています。化学療法が非常に効きにくいことから手術が標準治療となっています。進行症例などでは、嗄声、声帯固定による呼吸困難などのリスクを伴うことがありますが、多くはQOLの低下を来すことなく。甲状腺良性腫瘍や副甲状腺腫瘍も扱っています。内分泌外科としてこれらの領域も非常に重要視しながら診療を行っています。
最近では、IONM (intra-operative nerve monitoring)も使用しながら、反回神経の機能温存に努めています。またハーモニック・フォーカスなどのサージカル・デバイスも使用する手術を行っています。
また、原発性副甲状腺機能亢進症に対しては、ホルモン動態や電解質の動きを見ながら画像検査とあわせて手術適応のある患者さまには確実な治療計画をたてていきます。